多くの化学メーカーでは原料を原料メーカーから購入します。そして、原料メーカーで製品の製造方法を変更する場合、原料メーカーは自社に対して変更通知(PCN)を提出して変更内容を知らせます。
この記事では、自社が原料メーカーから変更通知を受けた場合に、原料の品質確認をして承認の判断をする方法を説明します。
化学品の変更通知とは?
こちらの記事に、化学品の変更通知を含む、以下の内容を説明しています。
- 化学品の変更通知(PCN)とは何か
- 変更通知の提出
- 変更通知の必要性
- 変更通知の対象となる変更内容
- 変更通知に必要な情報
上のリンク先の記事は、自社から顧客へ変更通知を提出する場合に気を付けるコツを説明したものです。
本ページの記事では、自社が原料メーカーから変更通知を受けた場合に、原料の品質確認をして承認の判断をする方法を説明します。
同じ化合物でも同じ品質とは限らない理由
同じ化合物だったら同じ品質じゃないの?
同じ化合物でも、ちょっとした違いが製品の品質に影響することがあるよ
同じ化合物でも、品質に違いが出る例を示します。このように、様々な変更内容で品質に影響がある可能性があるため、自社が原料メーカーから変更通知を受けた場合に、その変更による品質への影響の有無を慎重に確認する必要があります。
変更内容 | 品質への影響の可能性 |
製品の製造設備 | 反応副生成物、設備から溶出する金属 |
製品の製造方法 | 反応副生成物、不純物の種類や量 |
製品の保管方法 | 純度、製品の分解、不純物の種類や量 |
製品の運送方法 | 純度、製品の分解、不純物の種類や量 |
製品の分析方法 | 見かけの純度 |
製品の原料メーカー | 純度、不純物の種類や量 |
原料の製造設備 | 反応副生成物、設備から溶出する金属 |
原料の製造方法 | 反応副生成物、不純物の種類や量 |
原料の保管方法 | 純度、製品の分解、不純物の種類や量 |
原料の運送方法 | 純度、製品の分解、不純物の種類や量 |
原料の分析方法 | 見かけの純度 |
原料の品質確認をして承認の判断をする方法
原料の品質確認をして承認の判断をする手順を説明します。変更内容によって、どのレベルまでのデータで承認/拒絶を判断するかは変わります。慎重に判断するべき変更内容の場合は、何段階もの分析・評価で承認の判断をします。
- 原料メーカーから変更前後の品質データを入手
- 原料メーカーから変更原料のサンプルを入手
- 実験室レベルの小スケールで製品を製造
- 小スケール製品の分析や評価
- 工場で製品を製造
- 工場製品の分析や評価
原料変更に関係する部署
化学メーカーの中で原料変更に関係する部署は、主に品質保証部です。原料メーカーとの窓口は購買部です。
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まとめ
この記事では、自社が原料メーカーから変更通知を受けた場合に、原料の品質確認をして承認の判断をする方法を説明しました。。