大多数の人にとって、PFASに曝露される主な経路は食事です。PFASは魚類に最も多く含まれ、次は藻類、肉類という順でした。
また、人はPFASに曝露すると、免疫低下、甲状腺機能低下、肝疾患、脂質やインスリンの調節不全、腎臓病、生殖障害、発達障害、がんなどさまざまな健康への影響があります。
PFASの人体への摂取経路
大多数の人にとって、PFASに曝露される主な経路は食事です。
2020年に欧州食品安全機関(EFSA)は、魚肉、果物および果物製品、卵および卵製品が、PFOA、PFOS、PFHxSへの曝露の上位寄与カテゴリーであると公表しました。
各種文献でも、PFASに曝露される経路は食事が最も多く、その次に水道水や粉じんが多い傾向となっています。
食品を分析したところ、特に魚介類、藻類、肉類のPFOS、PFOS濃度が高いことがわかりました。このことから、魚介類、藻類、肉類にPFASが蓄積されやすいことがわかります。
食品群 | PFOS濃度(ppt) | PFOA濃度(ppt) |
穀類 | 0 | 0 |
いも類 | 0 | 0 |
砂糖・甘味料類 | 0 | 0 |
豆類 | 0 | 0 |
種実類 | 0 | 0 |
野菜類 | 0 | 0 |
果実類 | 0 | 0 |
きのこ類 | 0 | 0 |
藻類 | 5 | 36 |
魚介類 | 440 | 45 |
肉類 | 10 | 0 |
卵類 | 0 | 0 |
乳類 | 0 | 0 |
油脂類 | 0 | 0 |
菓子類 | 0 | 0 |
嗜好飲料類 | 0 | 0 |
調味料・香辛料類 | 0 | 0 |
飲料水 | 0 | 0 |
PFASの健康への影響
PFASは人の健康に悪影響があります。生産・使用量が多いPFOAやPFOSは毒性データが集まっており、疫学研究では特定のPFASへの曝露により、免疫低下、甲状腺機能低下、肝疾患、脂質やインスリンの調節不全、腎臓病、生殖障害、発達障害、がんなどさまざまな健康への影響が明らかになっています。
アメリカではPFAS訴訟が多数発生し、2000年にPFOSの最大の製造業者である3M社が自主的な生産停止発表しました。
個人でできる効果的なPFAS対策
PFASは活性炭吸着やフィルター濾過で除去できます。
個人でできるPFAS対策として、活性炭やフィルターを使用した浄水器を使用して、体内にPFASを入れないようにしましょう。
関連文献
- PFAS: A Review of the State of the Art, from Legislation to Analytical Approaches and Toxicological Aspects for Assessing Contamination in Food and Environment and Related Risks https://doi.org/10.3390/app13116696
- A review of recent studies on toxicity, sequestration, and degradation of per- and polyfluoroalkyl substances (PFAS) https://doi.org/10.1016/j.jhazmat.2022.129120
- Per- and Polyfluoroalkyl Substance Toxicity and Human Health Review: Current State of Knowledge and Strategies for Informing Future Research https://doi.org/10.1002/etc.4890
- A Review on Per- and Polyfluoroalkyl Substances (PFAS) Remediation: Separation Mechanisms and Molecular Interactions https://doi.org/10.1021/acsestwater.2c00271
- Per- and Polyfluoroalkyl Substance Toxicity and Human Health Review: Current State of Knowledge and Strategies for Informing Future Research https://doi.org/10.1002/etc.4890