苛性ソーダとは?
苛性ソーダは、工業的に重要な無機化合物であり、その特性と用途から広く利用されています。苛性ソーダは強アルカリ性の無機化合物で、日本では劇物に指定されています。
苛性ソーダの化学式
苛性ソーダの化学式はNaOHです。ナトリウムイオン(Na⁺)と水酸化物イオン(OH⁻)から構成されています。
苛性ソーダの別名
苛性ソーダの別名には以下のようなものがあります。
- 水酸化ナトリウム(英語:sodium hydroxideやcaustic soda)
- カセイソーダ
- ソーダライ(英語:soda lye)(水酸化ナトリウム水溶液を表します)
苛性ソーダのIUPAC名、CAS登録番号
IUPAC Name:sodium hydroxide
CAS登録番号:1310-73-2
PubChemリンク:https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/14798
苛性ソーダの特徴
苛性ソーダは、以下の特徴があります。
- 常温では無色無臭の固体で、白色の球粒状やフレーク状で製造、販売されています。
- 空気中の水分を吸収します。この性質を潮解性と言います。
- 空気中の二酸化炭素と反応します。
- 水に溶けると強アルカリ性の水溶液となります。
- 水に非常によく溶け、溶解時に発熱します。
- 強い腐食性があり、皮膚や目に触れると深刻な損傷を引き起こします。取り扱い時はゴーグルやゴム手袋などの保護具を着用しましょう。もし目に入った場合は流水で10分以上洗浄してから病院に行きましょう。
苛性ソーダの用途
苛性ソーダは、その多様な特性と用途から、家庭用品から工業製品まで幅広く利用されています。特に、環境への配慮が求められる現代において、その低環境負荷の特性が注目されています。
- 化学工業:有機・無機化学品の製造、pH調整、中和反応として使用されます。
- パルプ・製紙業:木材チップからパルプを製造する際に使用されます。
- アルミニウム産業:ボーキサイトからアルミナを抽出する際に使用されます。
- 水処理:水質調整や廃水処理プロセスでの酸性水の中和に利用されます。
- 石鹸・洗剤製造:油脂の鹸化反応に使用されます。
- 食品加工:オリーブのアク抜きなどに使用されます。
- 分析試薬:化学実験や分析、特に中和滴定などで使用されます。
苛性ソーダは買える?
苛性ソーダは劇物のため一般的には販売されていません。成分のひとつに苛性ソーダを含む業務用パイプ洗浄剤は購入可能ですが、取り扱いに注意を要するため、慣れていない人にはお勧めしません。
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