さらし粉と高度さらし粉の化学式(構造式)、分子式、性質、用途をまとめてわかりやすく解説します。
さらし粉と高度さらし粉は、同じような物質です。
水酸化カルシウム Ca(OH)2 に塩素ガス Cl2 を反応させると、さらし粉 Ca(ClO)2 ができます。
ただし、こうして作られたさらし粉の中には Ca(ClO)2 だけでなく、一部に CaCl(ClO) が混ざっています。
Ca(ClO)2 に CaCl(ClO) が混ざっているものを「さらし粉」と呼び、
Ca(ClO)2 中の CaCl(ClO) が少ないものを「高度さらし粉」と呼ぶことがあります。
言い方を変えると
純粋な Ca(ClO)2 は「高度さらし粉」と呼び、
Ca(ClO)2 に CaCl(ClO) が混ざっている混合物を「さらし粉」と呼ぶと考えてもいいです。
この記事では、さらし粉と高度さらし粉は同じ Ca(ClO)2 とみなして説明します。
さらし粉の基本データ
| 化学式 | |
| 分子式 | Ca(ClO)2 |
| 分子量 | 142.98 |
| 外観 | 白色固体 |
| 物理的性質 | アルカリ性/水に極めて溶けやすい 強い塩素臭 |
| 主な用途 | 殺菌剤、消毒剤、漂白剤 |
さらし粉とは?
さらし粉は、は次亜塩素酸のカルシウム塩で、白色から薄黄色の固体です。
さらし粉の化学式
さらし粉の化学式は、Ca(ClO)2です。

さらし粉の別名
- 次亜塩素酸カルシウム(英語:calcium hypochlorite)
- カルキ(水道水の消毒やプールの水処理に使用される際の呼称)
- 高度さらし粉(有効塩素量が70%程度以上のさらし粉)
- 晒し粉、晒粉(さらし粉)
- 漂白粉(ひょうはくこ)
商品名
さらし粉は除菌・消臭用に販売されています。代表的な商品名を紹介します。
ハイクロン
スタークロン
さらし粉のIUPAC名とCAS番号
- IUPAC Name:calcium dihypochlorite
- CAS登録番号:7778-54-3
- PubChemリンク:https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Calcium-hypochlorite
さらし粉の製造方法
さらし粉は消石灰(水酸化カルシウム、Ca(OH)2 に塩素を吸収させて製造することができます。
2Ca(OH)2 + 2Cl2 → Ca(ClO)2 + CaCl2 + 2H2O
ただし、こうして作られたさらし粉の中には Ca(ClO)2 だけでなく、一部に CaCl(ClO) が混ざっています。
Ca(OH)2 + Cl2 → CaCl(ClO) + H2O
Ca(ClO)2 に CaCl(ClO) が混ざっているものを「さらし粉」と呼び、
Ca(ClO)2 中の CaCl(ClO) が少ないものを「高度さらし粉」と呼ぶことがあります。
さらし粉の特徴
酸化反応
さらし粉は他の化合物から電子を奪い取る力が強く、強力な酸化剤として働きます。
ClO– + 2H+ + 2e– → H2O + Cl–
除菌効果
さらし粉は細菌やウイルス中の分子を酸化反応で化学反応させ、細菌やウイルスを殺す働きがあります。プール用殺菌剤としてよく使用されています。
漂白作用
さらし粉は漂白作用があります。
不安定
さらし粉は室温では安定ですが、150℃以上で急速に分解します。特に、水分により分解が促進されます。
Ca(ClO)2 → CaCl2 + O2(さらし粉 → 塩化カルシウム + 酸素)
3Ca(ClO)2 → 2CaCl2 + Ca(ClO3)2(さらし粉 → 塩化カルシウム + 塩素酸カルシウム)
アルカリ性にすると分解を抑制することができるため、微量の水酸化カルシウムを加えることがあります。
アルカリ性
さらし粉はアルカリ性です。
さらし粉の用途
さらし粉は酸化剤、漂白剤、消毒剤、殺菌剤、食品添加物として利用されています。
- 酸化剤:化学合成反応において酸化剤として利用されます。
- 漂白剤:家庭用の塩素系漂白剤の成分として利用されます。製紙業界でも漂白剤として利用されます。
- 消毒剤・殺菌剤:上水道、プール、家庭、病院、食品工場の消毒剤・殺菌剤として使用されています。
- 食品添加物:さらし粉は食品添加物として使われます。
- 農業:作物の殺菌や消毒、糞尿や排泄物の消毒に使用されます。
