生石灰と消石灰の違い
生石灰は酸化カルシウム(CaO)、消石灰は水酸化カルシウム(Ca(OH)2)で、名前は似ていますが異なる化合物です。生石灰は「せいせっかい」と読み、消石灰は「しょうせっかい」と読みます。
生石灰は、石灰石(CaCO3)を1000~2000℃の高温で焼いて作られます。生石灰に水を加えると発熱しながら消石灰に変化します。
生石灰と消石灰は、どちらも工業的に幅広く利用されていますし、土壌をアルカリ性にするために農業で使用されることもあります。
生石灰と消石灰の化学式
生石灰の化学式はCaO、消石灰の化学式はCa(OH)2です。
生石灰と消石灰の別名
生石灰の別名
- 酸化カルシウム(英語:oxocalcium、calcium oxide、calcium monoxide)
- クイックライム(英語:quicklime)
- 焼成石灰
- きせっかい(発音の似ている消石灰と区別するための呼び方)
- バーントライム(英語:burnt lime)
消石灰の別名
- 水酸化カルシウム(英語:calcium hydroxide)
- スラックドライム(英語:slaked lime)
- 水和石灰(英語:hydrated lime、lime hydrate)
生石灰と消石灰のIUPAC名、CAS登録番号
生石灰のIUPAC名、CAS登録番号
- IUPAC Name:oxocalcium
- CAS登録番号:1305-78-8
- PubChemリンク:https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/14778
消石灰のIUPAC名、CAS登録番号
- IUPAC Name:calcium dihydroxide
- CAS登録番号:1305-62-0
- PubChemリンク:https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/6093208
生石灰と消石灰の特徴
生石灰の特徴
- 白色の塊または粉状の固体です。
- 水に触れると発熱し、消石灰(水酸化カルシウム)に変化します。
- 空気中の二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムを生成します。
消石灰の特徴
- 白色の粉末状の固体です。
- 水への溶解度は低いですが、溶解した成分は強いアルカリ性を示します。
生石灰と消石灰の用途
生石灰の用途
- 化学:試薬や化学合成原料として使用されます。
- 建設:モルタル、コンクリート、セメントの原料として使用されます。
- 農業:土壌の酸性を中和するために用いられます。
- 工業:ガラス製造の原料として使用されます。
- 鉄鋼:銑鉄、スクラップ、コークス中の不純物(シリコン、リン、硫黄成分)を除去します。
- 食品:乾燥剤として使用されます。
- 生活:殺虫剤として使用されます。
消石灰の用途
- 化学:試薬や化学合成原料として使用されます。
- 水処理:pH調整剤や、凝集剤(フロック形成剤)、脱臭剤、殺菌剤として使用されます。
- 食品:酸味調整剤、風味向上剤、こんにゃくの凝固剤として使用されます。また、砂糖水溶液から不純物を除去するプロセスにも利用されます。
- 建設:モルタル、石膏、コンクリートの製造として使用されます。
- 農業:土壌改良剤として酸性土壌を中和し、作物の生育環境を改善します。また、病害虫対策にも利用されます。
- 畜産:家畜の防疫用として、ウイルスや細菌に対する消毒剤として使用されます。
- 環境管理:火力発電などの排煙の脱硫装置に使用され、二酸化硫黄(SOx)や塩酸(HCl)の除去に使用されます。
- 学校:運動場でライン引きに使用されます。
生石灰と消石灰は買える?
生石灰は土壌をアルカリ性にする用途として販売されており、買うことができます。
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消石灰は、こんにゃくづくり、洗剤などの様々な用途で使用するために販売されており、買うことができます。アマゾンのレビュー欄からは、購入者が様々な用途で使用していることがわかります。
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