次亜塩素酸とは?
次亜塩素酸(じあえんそさん)は、化学式HClOで表される塩素のオキソ酸の一種で、通常は水溶液で取り扱われます。
次亜塩素酸の化学式
次亜塩素酸の化学式は、HClO(慣用)またはHOCl(IUPAC)です。
次亜塩素酸の別名(商品名)
次亜塩素酸は除菌・消臭用に水溶液で販売されています。代表的な商品を紹介します。
●サライウォーター
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●ジアニスト
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●ZIALAB
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次亜塩素酸のIUPAC名とCAS番号
- IUPAC Name:hypochlorous acid
- CAS登録番号:7790-92-3
- PubChemリンク:https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Hypochlorous-Acid
次亜塩素酸の特徴
酸化反応
次亜塩素酸は他の化合物から電子を奪い取る力が強く、強力な酸化剤として働きます。
ClO– + 2H+ + 2e– → H2O + Cl–
除菌効果
次亜塩素酸は細菌やウイルス中の分子を酸化反応で化学反応させ、細菌やウイルスを殺す働きがあります。この除菌速度は、次亜塩素酸のナトリウム塩(次亜塩素酸ナトリウム)より次亜塩素酸の方が80倍速いです。
消臭効果
次亜塩素酸はにおいのもととなる有機化合物を酸化反応で化学反応させるため、消臭効果があります。
不安定
次亜塩素酸は不安定な物質で、次のような不均化反応により塩化水素と酸素や塩素酸などに分解します。特に酸性条件で分解反応が促進されます。
2HClO → 2HCl + O2(次亜塩素酸 → 塩酸 + 酸素)
3HClO → 2HCl + HClO3(次亜塩素酸 → 塩酸 + 塩素酸)
次亜塩素酸の用途
次亜塩素酸は酸化剤、漂白剤、消毒剤、殺菌剤、消臭剤、食品添加物として利用されています。
- 酸化剤:化学合成反応において酸化剤として利用されます。
- 漂白剤:衣類などの漂白剤として利用されます。
- 消毒剤・殺菌剤・消臭剤:食品、医療、農業、畜産、介護、保育など様々な業界で、消毒剤・殺菌剤・消臭剤として使用されています。
- 食品添加物:次亜塩素酸水は食品添加物として認可されています。