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化学品の変更通知・変更申請(PCN)を顧客に承認してもらうコツ

Yes or No その他の仕事内容

化学品の変更通知(PCN)とは、原料メーカーが製品の製造方法を変更する際に、顧客に対して伝える通知です。

しかし、変更通知さえすればどんな変更でもできるわけではありません。顧客が承認した変更のみ実施でき、顧客が拒否した変更は実施できません。そこで、顧客に変更通知を承認してもらうコツを説明します。

この記事はこんな人におすすめ
  • 変更通知(PCN)について知りたい人
  • 顧客に変更通知(PCN)を承認してもらいたい人
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化学品の変更通知(PCN)とは?

化学メーカーでは同じ製品を繰り返し製造し、顧客に出荷します。基本的には、毎回同じ原料、同じ製造設備、同じ製造方法で製造します。ただし、以前とは異なる方法で製品を製造する場合もあります。

このような変更をする場合、化学メーカーは一定期間前に顧客に変更内容を通知し、顧客に承認されてから変更を適用します。この通知のことを変更通知、または変更通知の英語の頭文字をとって、PCN(Product Change Notification)と呼びます。

変更通知と変更申請

変更通知と似たような表現に、変更申請があります。変更通知と変更申請は、変更内容を顧客に伝える点は同じです。異なる点は、顧客通知は顧客から承認をもらうことを前提としないニュアンスあるのに対し、変更申請は顧客からの承認をもらってから実施する変更という点です。

しかし、変更通知として伝えても、内容によっては顧客から変更をしないよう連絡が来ることもあるため、必ずしも一方的に変更できるわけではありません。そのため、変更通知と変更申請に明確な区別はないと言えます。

この記事ではこれ以降、変更通知と変更申請のことを「変更通知」という表現に一本化します。

変更通知(PCN)の提出

変更通知は、化学品の供給会社化学品の購入会社に対して提出します。

多くの化学メーカーは、製品サプライチェーンの中で基礎化学品メーカーと最終製品メーカーの中間に位置します(参考:化学メーカーの全体像)。そのため、変更通知を提出する立場と、変更通知を受け取る立場のどちらになる可能性もあります。

例えば、原料メーカーが変更通知を提出した場合、自社は変更通知を受け取る立場です。この時、自社製品の原料に変更があるため、自社は顧客に対して変更通知を提出する立場にもなります。

原料メーカー、自社、顧客の関係

本ページの記事は、自社が顧客に対して変更通知を提出する場合に、顧客から変更承認を得るためのコツを説明します。

変更通知(PCN)はなぜ必要なのか?

変更通知は、顧客が自社製品の品質管理をするために必要です。

化学メーカーでは、同じ製品を繰り返し製造しています。毎回同じ原料、同じ製造設備、同じ製造方法で製造していれば同じ品質の製品になりますが、何か変更した場合は製品の品質が変わる可能性があります。

化学品の購入会社(顧客)は化学品の供給会社(自社)に対して、何か変更する場合は一定期間前に変更通知をするよう要請し、変更がある場合は自社製品の品質への影響を確認します。

変更通知(PCN)の対象となる変更内容

一般的に、変更通知の対象になる変更内容は、4M変更として知られる内容のうち、Manを除いたMachine、Method、Materialです。

化学メーカーの工場では交代勤務で作業するため、ひとつの製品を同じ人が作り続けることはありません。マニュアルやルールに従って製造することで、誰が作業しても同じ品質になるという前提で、作業者が変わること意味する「Man」は通知対象とはみなしません。

一方で、「Machine、Method、Material」に該当する変更は、製品の品質を変える可能性があるため、顧客に変更通知・変更申請することがあります。ただし、通知する変更の範囲はあらかじめ顧客と取り決めておくことが多いため、その取り決めに従って通知します。

4M変更内容の例変更通知の対象
Man製品を製造する人対象外
Machine機械製品の製造設備対象
Method方法製品の製造方法
製品の保管方法
製品の運送方法
製品の分析方法
対象
Material原料原料のメーカー
原料の製造設備
原料の製造方法
原料の保管方法
原料の運送方法
原料の分析方法
対象

変更通知(PCN)に必要な情報

会社によっては変更通知の書式が決まっている場合があります。顧客に変更通知を提出する場合は、まず顧客に決まった書式があるかどうか問い合わせます。

特に決まった書式がない場合は、変更通知には以下の4点の情報を記載します。

  • 変更内容
  • 変更理由
  • 変更希望時期
  • 変更に伴う品質への影響

変更通知(PCN)を顧客に承認してもらう難しさ

変更通知を提出しても、顧客はすんなりと承認してくれるとは限りません。非協力的な顧客は、以下のような対応をする場合があります。

  • そもそも変更を承認せず、今まで通りの方法で製造し続けることを要求する
  • 変更品の評価をしない(その結果、変更承認されず、今まで通りの方法で製造し続けることになる)
  • 変更後は品質規格に適合しているにもかかわらず、少しの品質差を理由に変更承認しない
  • 品質規格項目にはない、顧客で独自に評価している項目に差があることを理由に、変更承認しない
  • 変更してもよいが価格を安くするよう要求する

変更通知(PCN)を顧客に承認してもらうコツ

変更通知さえすればどんな変更でもできるわけではありません。顧客が承認した変更のみ実施でき、顧客が拒否した変更は実施できません。

顧客は、自社の製品の品質を安定化させるため、毎回同じ品質の製品を購入したいと考えます。そのため、化学品の供給会社(自社)には原料や製造装置や製造方法を変更してほしくありません。また、変更品の品質確認をする際に顧客側で手間がかかることも変更通知が嫌がられる理由です。このハードルを越えて変更通知を承認してもらうためには、いくつかコツがあります。

変更通知を承認してもらうコツは、変更通知を受け取る顧客の立場になって、承認できるかどうかを考えることです。自社の都合だけ主張しても、承認の理解は得にくいと考えてください。

変更理由のコツ

変更理由では、変えざるを得ないと顧客が納得できる理由顧客にとってメリットのある理由をアピールします。

例えば、このような理由だと顧客からの理解が得られやすいです。

  • 原料メーカーが生産終了したため、原料メーカーを変更する
  • 老朽更新のため製造設備を変更する
  • 分析装置のサポートが切れたため、分析装置を変更する
  • 顧客からの需要が増えたため、製造スケールをアップする
  • 製品品質を向上させるため、晶析回数を増やす

変更希望時期のコツ

変更通知は変更を実施する一定期間前に提出するよう求められ、その期間は顧客によります。例えば1年以上前に変更通知を提出することが求められている場合、顧客の希望通り1年以上前に変更通知を提出し、変更希望時期は変更通知の提出から1年以上あとの時期にします。

顧客の希望に沿わない場合、顧客からの心証が悪くなります。

変更に伴う品質への影響データのコツ

品質への影響がないことを説明するのは最も重要です。顧客が安心して変更を承認できるよう、変更前後で自社製品の品質が変わらないデータを取得して丁寧に説明します。顧客は少しでも懸念があると変更を拒絶する可能性がありますので、顧客の立場になって変更前後のデータに差がないかよく確認します。実験ミスや分析誤差のために変更前後のデータに差があるように見える場合は、再実験や再分析をして、変更による品質への影響がないように見えるデータにすることも検討します。

顧客からの要望にできるだけ応える

顧客は追加データを要求することがあります。また、サンプルを顧客自身で評価するため、サンプル提供を要求することがあります。顧客の装置でしか評価できない場合もありますので、要求通りサンプルを提出します。

まとめ

この記事では以下の内容を説明しました。

  • 化学品の変更通知(PCN)とは何か
  • 変更通知の提出
  • 変更通知の必要性
  • 変更通知の対象となる変更内容
  • 変更通知に必要な情報
  • 変更通知を顧客に承認してもらう難しさ
  • 変更通知を顧客に承認してもらうコツ



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