化学メーカーはライバル会社が現れにくく安定した業界です。そんな化学メーカーではいったいどの会社が将来性がある会社なのでしょうか？
この記事では、将来性のある会社の条件を説明し、最新のデータをもとにした将来性ランキングをつくりました。
その結果、半導体、電子部品、農薬に関係する会社のランキングが高いことがわかりました。
- 化学メーカーに興味がある人
- 化学メーカーに就職・転職したい人
- 化学メーカーに投資したい人
将来性のある会社の条件
公表されている過去から現在までのデータを使って、将来性ランキングを決定しました。具体的には以下の3点の条件を持つ会社を将来性のある会社としました。
- 過去5年の売上高変化率が高い
- 営業利益率5%以上
- 過去3年で赤字がない
過去5年の売上高変化率が高い
過去5年の売上高が成長している会社は、今後も売上高が拡大することが期待できます。売上高が成長している企業であれば、入社後に年収が上がることも期待しやすいです。
営業利益率5%以上
いくら売上高が多くても利益が少ない会社はいい会社と言えないですよね。将来性ランキングの条件に営業利益率5%以上をつけ加えています。営業利益率が高い会社は競争力のある製品を持っています。競争力のある製品は将来性のある会社に必要な条件です。
過去3年で赤字がない
安定して黒字になっていることも将来性のある会社の条件です。今年の業績が良くても来年の業績が悪かったら困りますからね。
化学メーカーの将来性ランキング
それではいよいよ将来性ランキングの発表です。
トリケミカル研究所
企業HP：トリケミカル研究所
本社：山梨
主な勤務地：山梨
事業内容：半導体製造に必要な化学材料を多品種少量生産している会社です。
トリケミカル研究所は今後も伸び続ける半導体産業に関係する会社です。
信越化学工業
企業HP：信越化学工業
本社：東京
主な勤務地：東京、新潟、群馬、福井、茨城
事業内容：塩化ビニル樹脂、半導体シリコンウェハーで世界首位の会社です。シリコーン樹脂、フォトレジスト等の半導体用化学製品も製造しています。（シリコンウェハーは「シリコンウエハ」「シリコンウェーハ」という呼び方もあります）
半導体産業の重要な材料であるシリコンウェハーで高いシェアを持つ会社です。すでに大きな会社ですが、今後も成長が期待できます。
デクセリアルズ
企業HP：デクセリアルズ
本社：栃木
主な勤務地：栃木、東京、大阪、宮城
事業内容：電子デバイス向けの異方性導電膜、光学フィルムなどニッチな電子部材・材料で高いシェアを持つ会社です。
営業利益率の高さから、デクセリアルズの製品の競争力の高さがわかります。他社がまねできない製品を製造しています。
東京応化工業
企業HP：東京応化工業
本社：神奈川
主な勤務地：神奈川、福島、栃木、埼玉、静岡、熊本
事業内容：半導体製造工程で使われるフォトレジストで世界首位級の会社です。半導体用の高純度化学薬品も製造しています。
東京応化工業は今後も伸び続ける半導体産業に関係する会社です。半導体産業の重要な材料であるフォトレジストで高いシェアを持つ会社です。
上村工業
企業HP：上村工業
本社：大阪
主な勤務地：大阪、東京、名古屋
事業内容：めっき用薬品で国内首位の会社です。めっき用薬品、めっき用装置、液管理装置機械装置が事業の柱です。
めっきは電子部品や通信機器、機械部品など、先端産業に数多く使用されている技術です。電子部品産業も今後成長する業界です。
扶桑化学工業
企業HP：扶桑化学工業
本社：大阪
主な勤務地：大阪、東京、京都、茨城、兵庫
事業内容：半導体研磨剤で主原料の超高純度コロイダルシリカや、食品添加剤のリンゴ酸で世界シェア首位級の会社です。
扶桑化学工業は半導体産業に関係する会社です。半導体産業の重要な材料である半導体研磨剤で高いシェアを持つ会社です。
日本農薬
企業HP：日本農薬
本社：東京
主な勤務地：東京、大阪、北海道
事業内容：農薬専業で大手の会社です。医薬や動物薬などの開発・販売もしています。研究開発に力を入れている技術力のある会社です。海外展開も積極的に進めています。
日本農薬は世界の人口増加に伴って成長する農薬を開発・製造する会社です。
クミアイ化学工業
企業HP：クミアイ化学工業
本社：東京
主な勤務地：東京、静岡、宮城、兵庫
事業内容：農薬専業で首位級の会社です。全農と取引をしているため経営が比較的安定しています。海外売上高比率が50%を超えてグローバル展開も進めています。研究開発に力を入れていて農薬原体の特許を20も持っています。
クミアイ化学工業も世界の人口増加に伴って成長する農薬を開発・製造する会社です。
東洋合成工業
企業HP：東洋合成工業
本社：東京
主な勤務地：東京、千葉、兵庫
事業内容：フォトレジスト用感光性材料を製造するフォトレジスト事業と、高純度溶剤を製造する化成品事業を持つ会社です。
東洋合成工業は半導体産業に関係する会社です。フォトレジスト中に含まれる感光材で高いシェアを持つ会社です。
メック
企業HP：メック
本社：兵庫
主な勤務地：兵庫、東京、新潟
事業内容：主に電子基板向け薬品を製造する会社です。銅表面処理剤の技術力が高く世界的にシェアが高いです。
メックは今後も伸び続ける電子部品産業に関係する会社です
将来性のある業界
今回の化学メーカーの将来性ランキングでは、半導体、電子部品、農薬に関係する会社のランキングが高いことがわかりました。ではそれぞれの市場規模の見通しはどうなっているのでしょうか？
半導体市場推移
半導体市場規模は2022年で5741億ドル（出処：世界半導体市場統計）、その後は年平均成長率8.7%で成長すると予想されています（出処：Vantage）。
電子部品市場推移
電子部品市場規模は2022年で1903億ドル、その後は年平均成長率6.8%で成長すると予想されています（出処：Precedence Research）。
農薬市場推移
農薬市場規模は2022年で787億ドル（出処：S&P Global）、その後は年平均成長率3.1%で成長すると予想されています（出処：Business Research Insights）。
半導体市場、電子部品市場、農薬市場、すべて成長してるね！
まとめ：将来性の高い会社の特徴
この記事では化学メーカーの将来性ランキングを紹介しました。その結果、半導体材料、電子材料、農薬関係の会社が有望とわかりました。
就職・転職する会社の参考になればうれしいです。
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