化学メーカーには高配当の会社も多いです。ただ、高配当であればそれで十分でしょうか?そんなことはありません。
だったらどんな会社ならいいの?
配当性向が50%以下で、営業利益率が5%以上で、過去3年で赤字がない条件を満たしたうえで、高配当の企業をさがしてみました!
この記事では、高配当の化学メーカーの中から、将来的にも高配当が見込める会社を選別したランキングをつくりました。
将来的にも高配当が見込める会社の条件
公表されている過去から現在までのデータを使って、現時点で高配当、かつ将来的にも高配当が見込める会社ランキングを決定しました。具体的には現時点で高配当の化学メーカーの中から、以下の3点の条件を持つ会社を将来性のある会社としました。
- 配当性向が50%以下
- 営業利益率が5%以上
- 過去3年で赤字がない
配当性向が50%以下
配当性向とは、会社が税引後の利益である当期純利益のうち、どれだけを配当金の支払いに向けたかを示す指標です。配当性向が高すぎると、会社の成長のための投資ができませんし、将来の配当利回りの向上も見込めません。そのため配当性向が50%以下であることを条件に加えました。
営業利益率が5%以上
競争力のある製品やビジネスモデルのある会社は売上高営業利益率が高いです。将来的にも業績が安定成長する条件として、売上高営業利益率が5%以上であることを条件に加えました。
過去3年で赤字がない
安定して黒字になっていることも重要です。配当が高くても業績低下で株価が下がっては困ります。
化学メーカーの高配当ランキング
それではいよいよ高配当ランキングの発表です。
クミアイ化学工業
企業HP:クミアイ化学工業
事業内容:農薬専業で首位級の会社です。研究開発に注力し、オリジナルの化合物を農薬として作り上げ、製造、販売までを行っています。全農と取引をしているため経営が比較的安定しています。海外売上高比率が50%を超えてグローバル展開も進めています。研究開発に力を入れていて農薬原体の特許を20も持っています。
株主還元方針:「配当性向 30%以上を安定し て達成することを目標」としています。(クミアイ化学工業HP)
株価チャート:過去10年は600~1200のレンジで上下していますが、少しずつ下値を切り上げている様子です。(Yahooファイナンス)
日本曹達
企業HP:日本曹達
事業内容:農薬がメインで、化学品、医薬品、半導体フォトレジストにも展開しています。農薬の合成技術や生物研究・安全性研究・製剤技術、ICT分野の高度化を支える高分子技術、効率的で安定した生産を支える生産技術が強みです。
株主還元方針:「配当性向40%(ただし、1株当たり年間配当金80円を下限とする)を目標」としています。(日本曹達HP)
株価チャート:直近安値の2020年の2500円から右肩上がりで株価が上がっており、2023年には2倍の5000円を超えてきました。(Yahooファイナンス)
ラサ工業
企業HP:ラサ工業
事業内容:沖縄ラサ島リン鉱脈発見が起点。化成品・機械・電子材料の三部門を主力として“リサイクル、エレクトロニクス、ファインケミカル”の分野で事業展開しています。ラサ工業のコア事業はリン系製品を柱とする基礎化学品で、売上全体の7割近くを占めています。特に半導体や液晶に使用される電子工業向けの高純度品に力を入れており、長年のノウハウと原料から製品を一貫して管理・製造できる供給体制の強みを生かし、半導体グレードのリン酸ではアジア市場で大きなシェアを占めています。
株主還元方針:「安定配当を堅持しつつ、配当性向の更なる向上を目指す方針」です。(ラサ工業HP)
現在の配当性向は20%で低いため、増配余地はあります
株価チャート:過去10年は1400~2800のレンジで上下してほぼ横ばいです。(Yahooファイナンス)
KHネオケム
企業HP:KHネオケム
事業内容:「基礎化学品」「機能性材料」「電子材料」の3つの事業領域をコアとして、さまざまな分野に高品質な化学製品を提供しています。特に溶剤で有名で、電子材料用溶剤も販売しています。
株主還元方針:「今後の成長分野への投資と内部留保とのバランスを勘案しつつ、継続的かつ安定的な配当に努めることを基本方針」としています。(KHネオケムHP)
株価チャート:過去10年は1400~2800のレンジで上下してほぼ横ばいです。(Yahooファイナンス)
住友精化
企業HP:住友精化
事業内容:紙おむつ用の高吸水性樹脂、化粧品向けのポリマー製品をはじめ、液晶・LEDに使われるエレクトロニクスガス、医薬中間体向けの精密化学品など、日用品から化粧品、医薬・医療、IT、電池、自動車、農業、環境といった、様々な分野の製品を持っています。景気に左右されない生活必需品の原料である吸水性樹脂が事業の柱であることが強みです。
株主還元方針:「配当性向30%以上を基準に、安定的な配当の実施」をする方針です。(住友精化HP)
株価チャート:過去10年は2500~6500のレンジで上下していましたが、2022年の直近安値3000円から株価は上昇基調になっています。(Yahooファイナンス)
まとめ
この記事では高配当で業績安定な化学メーカーランキングを紹介しました。いずれの企業も高配当かつ安定した業績でした。
投資する会社の参考になればうれしいです。
化学メーカーランキングはほかにも記事を書いていますので、ぜひご覧ください。