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AI半導体メーカー30社|シェアトップのNVIDIAを脅かす特化型AI半導体企業とは?

AI半導体企業 半導体関連企業

AI半導体とは、人工知能(AI)の処理を効率的に行うために設計された半導体です。

NVIDIA(エヌビディア)は2024年時点でAI半導体の約80%のシェアを占めるトップ企業です。NVIDIAの成功に続こうと、大小さまざまな半導体メーカーがAI半導体に参入してきています。

この記事では、AI半導体メーカーの特徴や開発状況を紹介し、各社が投資可能な銘柄かどうかも紹介します。

この記事はこんな人におすすめ
  • AI半導体について知りたい人
  • AI半導体関連銘柄に投資したい人



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AI半導体とは?

化学とAI

AI半導体とは、人工知能(AI)の学習や推論といった処理を効率的に行うために設計された半導体です。深層学習モデルの処理では、行列の積を足す積和演算を大量に実行するため、超並列処理が得意なAI半導体が必要になります。

AI半導体は具体的にはGPU(Graphics Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)を指します。

GPU_FPGA_ASIC

AI半導体の特徴

AI半導体は汎用半導体と比較して4つの特徴があります。

  • 高度な処理能力:AI半導体は、大量のデータの計算を高速で実行できるように最適化されています。
  • 省エネルギー設計:大量のデータの計算を高速で実行するとエネルギーを多く消費するため、AI半導体は消費電力を抑えるよう設計されています。
  • 柔軟性とスケーラビリティ:さまざまなタイプのAIアプリケーションに対応できるよう、AI半導体は拡張性やカスタマイズが可能な設計がされています。
  • 専用のハードウェアアクセラレータ:特定のAIアルゴリズムを高速に実行するために、テンソルコアやニューラルプロセッシングユニット(NPU)などの専用アクセラレータを含むことがあります。

AI半導体の用途

AI半導体は、画像認識、音声認識、生成AIなど、すでに様々な用途で利用されています。今後はさらに活用される用途が増えていくと予想されます。

  • 画像認識:画像や動画を見て、どこに何があるかを識別することができます。対象の動きを追跡することも可能です。具体的な用途は、自動運転(周囲の画像を「車両」「標識」「人」などにラベリングして車両を制御)、医療支援(レントゲンやエコー、MRIの画像から病変や腫瘍を抽出)、物流管理(検品や仕分けなどの倉庫管理に活用)などです。
  • 音声認識:音声を聞いて識別することができます。具体的な用途は、音声入力(音声を機械への指示に変換)、異常検知(設備や機器の音から異常を検知)などです。
  • 生成AI:ChatGPTに代表される文章生成AIをはじめ、画像生成AI音楽生成AIなど、各種生成AIに使用されます。

AI半導体の市場規模と今後の見通し

アメリカの市場調査会社Gartnerは2024年5月、AI半導体の市場についてのレポートの最新版を公開しました(Gartnerプレスリリース)。それによると、2024年のAI半導体の売上高は前年比33%成長し、710億ドルに達し、2028年まで2桁成長を続けると予測されています。

生成AIによってデータセンター向け高性能AI半導体の需要が伸長しており、2024年には市場規模210億ドルに達し、2028年には330億ドルまで増加する見込みです。また、PC総出荷台数に占めるAI PCの出荷台数は2024年には22%、企業が購入するPCに限れば2026年末には100%がAI PCになると予想されています。

AI半導体を開発する半導体メーカー4社

AI半導体市場はNVIDIAが約80%のシェアを握っています。AI半導体市場の増大に伴ってNVIDIAも成長すると予想されますが、大小さまざまな半導体メーカーがAI半導体に参入してきているため、今後はNVIDIAのシェアは少しずつ下がり、新しいAI半導体メーカーのシェアが成長すると考えられます。

NVIDIA以外のAI半導体メーカーで有力なのは、AMD、Intelです。

NVIDIA

NVIDIA_G200

NVIDIAは、AI半導体の分野で世界をリードする企業です。NVIDIAはゲーム用画像処理半導体(GPU)メーカーでしたが、GPUが仮想通貨のマイニングやAI計算に適用できることから、時流に乗って急成長しました。NVIDIAは、特にAI半導体市場において約80%の圧倒的なシェアを持っています。

製品の性能はもちろん高いのですが、それに加えてGPU向けの開発プラットフォームCUDAを提供していることがNVIDIAの強みです。CUDAはAI開発者にとって慣れ親しんだプラットフォームのため、他社製AI半導体に切り替えることにハードルがあり、NVIDIAのAI半導体シェアの維持に貢献しています。

NVIDIAにとっての今後の課題は、最大の顧客と競い合わなければならないことかもしれません。Amazon、Google、Microsoftなどクラウドサービスを手がける企業は、自社サービス向けAI半導体を独自開発しており、NVIDIAへの依存を減らそうとしています。

NVIDIAのAI半導体GPUの主力製品は、2020年に市場投入したA100と、2023年に市場投入したH100です。H100は第4世代のTensorコアを搭載し、AIトレーニングと推論の性能がA100に比べてそれぞれ9倍と30倍に性能向上しており、1基500万円超と高額ですが、Amazon、Google、Microsoftなどテック巨人を中心に争奪戦が繰り広げられています。NVIDIAは2024年中にH100の30倍の能力を持つG200を実用化する予定です。

AMD

AMD_MI350

AMD(Advanced Micro Devices)は1969年に設立された、シリコンバレーを拠点とする半導体メーカーです。主に高性能コンピューティングとアダプティブコンピューティングの分野で大きなシェアを持っています。

AMDもAI半導体GPUを開発、販売しています。2021年にMI200、2023年にMI300を投入しました。MI300はトランジスタが1,530億個集積されており、NVIDIAのH100と技術面では引けをとりません。AMDは2025年中にMI300の35倍の能力を持つMI350を実用化する予定です。

AMD のMI300はNVIDIAのH100と比較して低コストで高パフォーマンスのため、OpenAI、Microsoft、MetaなどがMI300を使用する計画を明らかにしています。

AMDは、NVIDIAの開発ツールCUDAに対抗して、開発ツールROCmを普及させようとしています。

Intel

Intel_Gaudi3

Intelは1968年に設立されたアメリカの半導体メーカーで、特にCPU(中央処理装置)で有名です。Intelは、伝統的なCPUメーカーとしての強みを活かし、AIチップ市場に参入しています。

Intelは2024年にGaudi3を発売します。従来のGaudi2までは思った市場シェアが取れなかったため、Gaudi3で巻き返しを狙っています。Intelの評価によると、Gaudi3はNVIDIAのH100よりも高速かつエネルギー効率に優れており、NVIDIAのH200に相当すると主張しています。

Arm

Armは半導体およびソフトウェア設計会社で、特に低消費電力で高性能なプロセッサ設計で知られています。Armの技術はほとんどすべての半導体メーカーにライセンスされており、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、IoTデバイスなど、幅広いデバイスに採用されています。

Armが開発するAI半導体Ethosシリーズは、ニューラルネットワークプロセッサ(NPU)であり、AI推論の高速化と効率化を目的としています。特に、Ethos-Uシリーズはエッジデバイス向けに設計されており、低消費電力で高性能なAI処理を実現します。

さらに、ArmはNVIDIAと協力して、Ethos-U NPU向けのローコード・オープンソースAIツールキットであるNVIDIA TAOを開発しています。このツールキットは、TensorFlowやPyTorch上で構築されており、開発者が簡単にAIモデルを開発できるように設計されています。

AI半導体を開発する大手IT 7社

AI半導体を開発するのは半導体メーカーだけではありません。AIソリューションを開発する大手ITは、NVIDIAからAI半導体を購入するだけではなく、自社の用途に特化したAI半導体を開発し始めています。自社開発することでコスト低減も実現できます。

Google

Google_TPU

Googleは主に検索エンジンとして知られていますが、クラウドコンピューティング、広告技術、ソフトウェア、ハードウェアなど多岐にわたる事業を展開しています。

GoogleのTPU(Tensor Processing Unit)は、学習向けのライブラリを集めたAIライブラリのフレームワークTensorFlow用に作られたASICと呼ばれる半導体チップです。TPUは、機械学習やディープラーニングのタスクを効率的に処理するために設計されています。特に、GoogleのクラウドサービスであるGoogle Cloud Platform(GCP)や、ストリートビュー、囲碁AI「AlphaGo」などに利用されています。

2024年、Googleはデータセンター向けAI半導体TPUの第6世代モデルTrilliumを発表しました。Trilliumは処理性能が従来モデルの4.7倍に向上しています。

Amazon

Amazon_Trainium

Amazonは、1994年にオンライン書店としてスタートし、現在では世界最大級のEコマース企業として知られています。Amazonは、クラウドコンピューティングAWS(Amazon Web Service)、デジタルストリーミング、人工知能(AI)、ロジスティクスなど、多岐にわたる事業を展開しています。

Amazon傘下のAWSは、2018年にAI半導体Inferentiaを開発しました。Inferentiaは機械学習の推論に特化した半導体で、処理コストを大幅に削減できます。AWSは2021年に機械学習のトレーニング専用半導体Trainiumを発表し、23年には、その第2世代版Trainium2を発表しています。

これらのAI半導体は、AWSのクラウドサービスを通じて提供され、AIモデルのトレーニングなどに利用されています。

Microsoft

Microsoft_Maia

Microsoftは主にWindowsオペレーティングシステムやOfficeで有名ですが、クラウドコンピューティング(Azure)、ゲーム(Xbox)、ソフトウェア開発ツール(Visual Studio)など、多岐にわたる事業を展開しています。

Microsoftは2024年、データセンターで生成AIを動かすための半導体Maia 100と、クラウドサービス用半導体Cobaltを発表しました。Microsoftは、ChatGPTを開発したOpen AIと協力して、Maia 100を開発しました。Maia 100はトレーニングと推論の両方で高速処理を実現しています。

また、MicrosoftはMaia SDKを提供し、開発者がPyTorchやTritonで記述したモデルを素早くMaia上に移植できるようにしています。

Microsoftは、製品・サービスにAIを組み込むためのさまざまな取り組みのほとんどを共通の基盤モデルを通じて行うことでコスト圧縮を目指す計画で、Maia 100はそうした作業の最適解になると説明しています。

Meta

Meta_MTIA

Meta(旧Facebook)は、2004年に設立され、ソーシャルメディアや広告事業を中心に展開しています。主な製品には、Facebook、Instagram、WhatsApp、Oculusなどがあります。

MetaもAI半導体MTIA(Meta Training and Inference Accelerator)を開発しています。2023年に発表されたMTIAは、AIのトレーニングと推論を高速化するための特化型ASICです。MTIAはMetaのオープンソースフレームワークであるPyTorchと統合されており、効率的なAIプログラムの実行が可能です。

第1世代のMTIAはMetaのデータセンターで既に稼働しています。2024年には、第1世代と比較して処理性能を3倍に改善した第2世代のMTIAを発表しました。

Apple

Apple_M4

Appleは、主にハードウェア、ソフトウェア、オンラインサービスを提供しています。Appleの代表的な製品には、iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TVなどがあります。

Appleは、AI技術の向上を目指して独自のAI半導体を開発しています。特に注目されるのは、iPhoneやMacに搭載されているAシリーズおよびMシリーズです。これらはニューラルエンジンが組み込まれており、機械学習やAI処理を高速かつ効率的に行うことができます。

例えば、A17 Proチップは、iPhone 15 Proシリーズに搭載されており、画像処理や音声認識などのAI機能を強化しています。また、Mシリーズのチップは、MacやiPadに搭載されており、高性能なAI処理を可能にしています。

さらに、Appleはデータセンター向けのAI半導体ACDC(Apple Chips in Data Center)プロジェクトも進めており、NVIDIAのGPUに依存しない独自のAIインフラを構築しようとしています。これにより、AIモデルのトレーニングや推論を効率的に行うことが期待されています。ACDCでは、AIモデルのトレーニングではなく、推論に焦点を当てた半導体を開発していると言われています。

Huawei

Huawei _Ascend910

Huawei(ファーウェイ、華為技術有限公司)は、1987年に中国の深センで設立された多国籍テクノロジー企業です。主に情報通信技術(ICT)およびスマートデバイスの提供を行っています。Huaweiは、通信機器市場で世界トップのシェアを誇り、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン、ネットワーク機器など幅広い製品を展開しています。

Huaweiは独自のAI半導体Ascendシリーズを開発しています。特にAscend 910は、AIトレーニング用の高性能プロセッサとして注目されています。HuaweiのAI半導体はAscend 910Bが最新ですが、2024年にAscend 910Cを発表する見込みです。

TikTok(ティックトック)の親会社である北京字節跳動科技(バイトダンス)や百度(バイドゥ)、中国移動(チャイナモバイル)などが、910Cを調達する予定です。アメリカの中国への半導体規制の影響で、中国企業がHuaweiのAI半導体を購入する構図となっています。

IBM

IBM は、ITサービス、ソフトウェア、ハードウェアの提供を行っています。IBMは、長い歴史の中で数多くの技術革新を成し遂げており、スーパーコンピューターWatsonや量子コンピュータの開発でも知られています。

IBMが開発するAI半導体NorthPoleは、高速でエネルギー効率に優れたAI処理を実現するために設計されており、AIモデルの推論を効率的に行うことができます。



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AI半導体を開発するスタートアップ19社

多くのスタートアップ企業がAI半導体を開発しています。スタートアップの開発するAI半導体の特徴は、特定用途に特化していてNVDIAのGPUより安価であることでした。

けむさん
けむさん

AI半導体メーカーのスタートアップの戦略をまとめていると、

イノベーションのジレンマ

を思い出しました。

イノベーションのジレンマでは、大企業は現在の顧客と投資家のニーズに応えるため破壊的技術への投資が難しくなる一方で、スタートアップは新しい技術に特化した小さな市場で試行錯誤を繰り返しながら成長すると、説明されています。

NVDIAのGPUはAI処理全般に使用するのに対して、AI処理のトレーニングに特化した半導体や、推論に特化した半導体、高性能を維持しつつ電力効率を向上させた半導体など、特化型半導体を開発するAI半導体スタートアップが多かったです。

また、半導体を販売するのではなく、クラウドサービスを活用して高性能なGPUリソースを提供する戦略を取る、新しい形態のサービスを提供する企業もありました。

Preferred Networks

Preferred Networks _MN-Core

Preferred Networks (プリファードネットワークス、PFN)は、2014年に設立された日本のスタートアップ企業で、AI技術の実用化に必要なハードウェアからソフトウェアまでを垂直統合で開発・提供しています。同社は、AI半導体の設計、周辺ソフトウェアの開発、自社AI半導体を用いたスーパーコンピューターの開発、生成AI基盤モデルの構築、それらを応用したアプリケーションの開発などを行っています。

Preferred Networksが開発するAI半導体MN-Coreは低消費電力で高性能なAI処理を可能にする設計が特徴で、スーパーコンピューターの電力効率ランキングGreen500で世界1位を獲得した実績があります。2024年には後継のMN-Core2を搭載したスーパーコンピューターのクラウドサービスの外部提供を始める予定です。

2024年、SBI ホールディングスとPreferred Networksは、次世代AI半導体の開発および製品化に向けた資本業務提携に関する基本合意書を締結しました(Preferred Networksニュースリリース)。SBIホールディングスはPreferred Networksに最大で100億円を出資します。

Groq

Groq_LPU

Groqは、2016年に元Googleエンジニアのジョナサン・ロス氏によって設立されたスタートアップ企業です。ロス氏はGoogleでTPU(Tensor Processing Unit)の開発に携わっており、その経験を活かしてGroqを立ち上げました。Groqはシリコンバレーに本社を構え、AIとデータ分析に特化した高性能なハードウェアとソフトウェアを提供しています。

GroqはAI半導体LPU(Linear Processor Unite)を開発しました。LPUは、特に大規模言語モデル(LLM)の推論に特化しており、推論についてはNVIDIAのGPUの数倍高い性能です(「トレーニング」ではNVIDIAのGPUが優れています)。「推論」は生成AIのレスポンスの早さに影響し、GroqのLPUを用いた生成AIのレスポンスは非常に速いです。GroqのLPUは、特にリアルタイムのデータ処理が求められる分野での応用が期待されており、金融機関や自動運転企業などに提供されています。

また、GroqはクラウドベースのAIサービスも提供しており、顧客は高価なハードウェアを自前で用意することなく、Groqの先進的なAI処理能力を利用できるようになっています。

GroqのLPUをNVIDIAのGPUと比較した特徴をまとめました。

  • LPUのAI推論処理スピードはGPUより速い。
  • LPUのAIトレーニング処理スピードはGPUより遅い。
  • Groqは自動最適化コンパイラにより、NVIDIAのCUDAに最適化されたAIモデルを自動で最適化でき、NVIDIAのソフトの強みにも対応している。
  • LPUは電力消費がGPUより少ない。
  • LPUは大規模な構成が必要なことから、機器購入コストはGPUより高い。(半導体を販売するのではなく、計算使用量としてサービスを販売するビジネスモデルにして、このデメリットをなくしている)
  • LPUの計算使用量はGPUより低価格。
けむさん
けむさん

Groqは今後NVIDIAを脅かす企業になるかもしれません。

Cerebras Systems

Cerebras Systems_WSE

Cerebras Systemsは、2015年に設立されたアメリカのAI企業です。Cerebras Systemsは、画像処理用のGPUをAI用に転用するより、AIのニューラルネットワーク計算用には設計された半導体の方が高性能にできる、という考えからスタートしました。

Cerebras SystemsのAI半導体WSE(ウェハ・スケール・エンジン)は、単一のウェハ上に数百万個のコアとペタバイト級の帯域幅を持つ、世界最大のAI半導体です。Cerebras Systemsが2024年に開発したAI半導体WSE-3は、AIのトレーニングにおいてNVIDIAのH100の8倍高性能と発表しています。

また、2023年には完全にオープンなGPTとして、Cerebras GPTをローンチし、GitHub上にアップロードしました。

Cerebras SystemsはIPO準備中との報道があります。

けむさん
けむさん

Cerebras SystemsのAI半導体の性能はNVIDIAを超えており、有望なAI半導体メーカーです。

SambaNova Systems

SambaNova Systemsは、2017年に設立された企業です。SambaNova Systemsの技術の特徴はReconfigurable Dataflow Architecture(再構成可能なデータフローアーキテクチャ)で、これによりアルゴリズムからシリコンまでを最適化し、AIの性能を大幅に向上させることを目指しています。

SambaNova Systemsが開発するAI半導体は、最大5兆個のパラメータを持つ大規模言語モデル(LLM)の学習と推論を高効率で実行することが可能です。SN40Lは、広帯域メモリと大容量メモリを搭載し、密な計算と疎な計算の両方に対応できるように設計されています。

他にも、SambaNova SystemsはDataScaleシステムを提供しており、AIに特化した自社設計の半導体とソフトウェアを一つのパッケージとして提供しています。

SambaNovaはソフトバンクからの出資を受けています。

Graphcore

Graphcore_GC200

Graphcoreは、2016年に設立されたスタートアップです。

Graphcore の開発するAI半導体IPU(Intelligence Processing Unit)は、AIのトレーニングや推論に特化しています。IPUは、同等の価格のGPUと比較して2~4倍の高速性を持ち、エネルギー効率も高いです。Graphcoreは2020年にGC200、2022年にBow IPUを発表しています。

2024年、Graphcoreはソフトバンクに買収されました。

Tenstorrent

Tenstorrentは、2016年にカナダのトロントで設立されたスタートアップ企業です。Tenstorrentは、TeslaやApple、AMD、Intelなどの有名企業で活躍した伝説的エンジニア、ジム・ケラー氏がCEOを務める企業としても知られています。

Tenstorrentは、Jawbridge(4TOPS/1TFlops)やGrayskull(368TOPS/92TFlops)などのAI半導体を開発しています。Grayskullは推論に特化したAI半導体です。

また、Tenstorrentは日本のRapidus(ラピダス)と提携しています。

Esperanto Technologies

Esperanto Technologiesは、低消費電力で高性能なAI半導体を実現することを目指すスタートアップ企業です。

Esperanto Technologiesの開発したAI半導体ET-SoC-1には、低消費電力のET-Minionコアが多数搭載されており、これによりAIトレーニングや推論処理を高速化します。

Etched AI

Etched AIは、2022年に設立されました。Etched AIのAI半導体Sohuトランスフォーマーモデル推論に特化したASICで、NVIDIAのH100の約20倍の性能を持つとされています。また、GPUに比べてエネルギー効率が高いです。

ピーター・ティールやスタンリー・ドラッケンミラーなどの著名な投資家がEtched AIに注目しています。

Hailo

Hailoは、2017年に設立されたイスラエルのスタートアップです。Hailoはエッジデバイス向けに高性能なAI半導体を設計しています。Hailoの製品は、スマートシティ、自動車、産業用機器、スマートホームなどの幅広い市場で利用されています。

Hailoが開発したAI半導体Hailo-8は、AI処理を効率的かつ効果的にエッジデバイスで実行できます。最大26TOPSの演算能力を持ち、高性能かつ低消費電力を実現しています。Hailo-15は、AI推論機能と高度なコンピュータビジョンエンジンを組み合わせ、優れた画質で動画処理と解析を行います。

Hailoはスタートアップですが、既に世界で300以上の顧客を持ち、エッジAIチップの市場ではトップクラスの実績を持っています。

Rebellions

Rebellionsは2020年に設立された韓国のスタートアップで、生成AIの推論処理に特化したNPU(Neural Processing Units)の設計・開発を行っています。Rebellionsは、生成AI市場の急速な成長に対応するため、既存のGPUに代わる高性能なNPUを提供し、AIサービスの速度と効率を向上させることを目指しています。

Rebellionsが開発したAI半導体は、特に生成AIの推論に特化しており、NVIDIAのGPUと比較しても優れた性能を持っています。Rebellionsの金融機関向けの第1世代半導体、データセンター向けの第2世代半導体は既に実用化されています。

EdgeCortix

EdgeCortixは2019年に設立されました。同社は、エネルギー効率の高いにエッジデバイス向けAI半導体を開発しています。

EdgeCortixの開発したAI半導体SAKURA-IIは、推論に特化しており、高速で消費電力が低い特徴があります。

DeepX

DeepXは東京大学松尾研究室の出身者によって2016年に設立された日本のスタートアップで、AIとディープラーニング技術を活用して、建設機械や産業機械の自動化を目指しています。

DeepXが開発するAI半導体DM-M1は、高性能でありながら省電力を実現し、エッジデバイスでの効率的なAI推論を可能にします。DeepXは、同社のAI半導体がエヌビディアの製品の10倍から20倍の電力効率を持つと主張しています。

Axelera AI

Axelera AIは2019年に設立されたオランダのスタートアップです。同社は、エネルギー効率の高いAI推論技術を提供し、特にエッジデバイス向けのソリューションに特化しています。

Axelera AIが開発するAI半導体Metisは、特にエッジデバイス向けに設計されており、高性能で省電力です。

既に100社近くがMetisのテスト用のサンプルを要求し、50社以上が早期アクセス・プログラムに申し込んでいるとのこと。

Untether AI

Untether AIは、2018年にカナダで設立されたスタートアップ企業です。同社は、AIの計算効率と性能を向上させるために、メモリと演算ユニットを近接させるニアメモリ・コンピューティング技術を開発しています。

Untether AIが開発するAI半導体runAI200speedAI240は、ディープラーニングの推論に特化して設計されており、高性能かつエネルギー効率の高い計算を実現しています。特に、runAI200は511個のメモリバンクと512個のプロセッシングエレメントを搭載し、502 TOPSの性能を持っています。

EnCharge AI

EnCharge AIは2022 年に設立された、AI向けの高度なハードウェアとソフトウェアを提供する企業です。EnCharge AIの製品は、高性能かつエネルギー効率の高いAI推論を実現するために設計されています。

EnCharge AIのAI半導体は、メモリに演算ユニットを内蔵することで高速かつ効率的なデータ処理を実現しています。

MemryX

MemryXは2019年に設立されたスタートアップです。同社はエッジデバイス向けの効率的でスケーラブルなソリューションを提供することを目指しています。共同創業者の一人であるDr. Wei Luは、ミシガン大学の電気工学教授であり、メモリデバイスやニューロモルフィックコンピューティングの専門家です。

MemryXのAI半導体MX3は、特にエッジデバイス向けに設計されており、サーバーレベルの性能をエッジデバイスに提供します。

MemryXの技術は、産業用ロボティクス、自動車、IoT、スマートビジョンシステムなど、多岐にわたる市場で活用されています。

Sapeon

Sapeonは、韓国のSKグループ(SKテレコム、SKスクエア、SKハイニックス)から分社化された企業で、AI半導体の開発に特化しています。SapeonのAI半導体はデータセンター向けのAI推論に特化しています。

Sapeonが開発するAI半導体SAPEON X220は、2020年に発表された韓国初のデータセンター向けAI半導体です。既存のAI推論用GPUと比較して、ディープラーニングの演算速度が1.5倍速く、電力消費量も20%削減できます。2023年に発表された次世代製品SAPEON X330は前世代のX220と比較して4倍以上の計算パフォーマンスと2倍以上の電力効率を達成しました。

FuriosaAI

FuriosaAIは2017年に設立された韓国のスタートアップです。同社はハイパースケールデータセンターや自律走行、スマートファクトリーなどの分野でのAI導入を促進することを目指しています。

FuriosaAIは、ニューラルネットワーク処理装置(NPU)を開発しており、これにより大規模なAI演算を効率的に処理できます。FuriosaAIが開発するAI半導体Warboyは、コンピュータビジョンやAI処理に特化しており、高性能かつ低電力です。また、MLPerf推論分野でNVIDIAを上回る性能を示し、技術力が認められています。

FuriosaAIはSamsung、ASUS、SK Hynixなどの大手企業と提携し、AIチップの量産を進めています。

SiMa.ai

SiMa.aiは2018年に設立されたアメリカのスタートアップです。同社はエッジAIに特化したソリューションを提供しており、特にシステムオンチップ(MLSoC)の開発に注力しています。

SiMa.aiが開発するAI半導体は、次世代のMLSoCチップであり、ネットワーク、モデル、センサー、モダリティに関わらず、あらゆる種類のエッジAIアプリケーションに対応します。SiMa.aiの次世代MLSoCチップは、パワー効率とパフォーマンスを飛躍的に向上させることが期待されており、2025年第一四半期の市場投入が予定されています。

AI半導体銘柄への投資

AI半導体メーカーは上場していて投資できる企業が多くあります。各メーカーが上場している市場と銘柄コードをまとめました。半導体メーカーと大手ITは投資可能ですが、スタートアップは未上場のため投資できません。

企業上場/未上場取引市場銘柄コード
NVIDIA上場アメリカNVDA
AMD上場アメリカAMD
Intel上場アメリカINTC
ARM上場アメリカARM
Google上場アメリカGOOGL
Amazon上場アメリカAMZN
Microsoft上場アメリカMSFT
Apple上場アメリカAAPL
Meta上場アメリカMETA
Huawei未上場
IBM上場アメリカIBM

まとめ

AI半導体とは、人工知能(AI)の処理を効率的に行うために設計された半導体デバイスです。

NVIDIAをはじめとして、AI半導体を開発する半導体メーカー4社、大手IT7社、スタートアップ19社の特徴や開発状況を紹介しました。半導体メーカーと大手IT各社の銘柄コードも紹介しました。



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